の目 の目


ここは、JOJOと雅世の世界

上の散文は雅世の 下の詩はJOJOさんの 創作です




「風を斬っていこう 」


風を斬っていこう

たとえ息が上がっても

向かい風に向かって

顔を上げていこう


サファイア色のロードレーサーが

アスファルトに浮かぶよに見える

あなたがギアを下げる仕種

前には坂道


土手で微笑む早咲きのコスモス

刷毛で滲ませたように見える

嘲笑うよに走る逃げ水

わらわらと登る陽炎


あなたはちょっと疲れたみたい

向かい風の意地悪ね

今度は私を先に行かせてね


坂を下るルビー色のマウンテンバイク

その後ろにはあなたがいる

ペダルこぎだしどこまでもいこう

道があるかぎり


風を斬っていこう

こんどは私が守ってあげる

たとえ何が起ころうと

顔を上げていこう










「風の斬り屑 」


君が斬った風の切れ端が

別の風に乗って僕の心の上へ落ちてきた


つまんで裏返してみると

マウンテンバイクのタイヤの跡の

痛々しい葉脈のその隙間に

サファイア色の紋章を見つけた


きらきらときらめくその紋章のかがやきに

かすれた想念が浄化され

夏の太陽に焼かれた街風は

僕の髪をぎこちなく梳いてゆき

それをさらさらとそよがせ流していった


そして僕はゆらゆらゆらめく陽炎の向こうに

しっかりと立っている君の愛を見た


たとえ意地悪な雷が

地球を真っ二つに引き裂いて

僕らを遠く隔てても

僕はちっとも恐くはなかった







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