2001年4月5日





「ソーダ水」


其れは 硝子に守られた 宝石

ぷつりぷつりと 泡立つ スクリーン

向こう側 デパートでの  ドラマが見えた

アドバルーンは のんきに 浮かび


フロアにつかない足 ぶらんこのように ゆすり

白いソックスには 幾重にもレースがあって

アイロンのかかった ワンピースに レディになれた

母が耳たぶにつけた 香水の香り


特別な日の 氷の入ったグラスに 曲がるストロー

お行儀よくして 背筋を伸ばして


なぜ あなたは ソーダ水は子供っぽいと 笑ったのかしら


ヒールのある靴を はいてから

あの宝石を 口にしなくなった

大人には似合わないから 大人にならなければ

そんなあなたの呪文に つかまった


フロアにしっかり足をつけても でも

小さな子供がふくむ ソーダ水に

つい 目が飛んでしまうのは

なぜなんだろう なぜなんだろう


まだ あなたは ソーダ水は おこちゃまの飲むものって決めているでしょう


自分から解き放つわ それが呪文なら

大人だからでも 子供だからでもなく

ただ 私がそうしたいのなら

ソーダ水はきっと 私に似合うはず


今度 つやつやと口紅をのせた唇で

ソーダ水を 頼もう

数十年絡まった あなたの言葉への

私の 革命







零した言葉
アルビレオ日詩