2001年3月8日





「ママレード日和」


ぽろん ぽろろん と 空の神様が

小さな小壜に 世界を封じ込めるように泣いているから

舐めていた オレンジのドロップスを陽に翳すように

空に差し出そう 優しい幸せの色を


ママの子守唄を聞きながら 夢のドアを叩くよに

パニエでふくらんだドレスに 明日の自分をなぞるよに

心を甘くして

きざもう オレンジの皮を

きざもう 注ぎこまれた太陽の記憶を


お行儀良く並んだ チョコレートの詰め合わせを開けるよに

はじめての口紅を 唇にのせるときのよに

心を優しくして

しぼろう オレンジのジュースを

しぼろう 降り注いだ雨の記憶を


ママレードの色は 幸せの色

陽だまりで歌う 小さなカナリヤ


夕暮れにぽわりと浮かぶ ママが待つ家の明かりを見つけたよに

小さなくちばしで 世界をノックする 殻の中の雛を見るよに

心を甘くして

煮よう ママレードを

甘いものを 全て注ぎ込んで


ママレードの香りは 幸せの香り

頬張る人の笑顔と hugした暖かさを思って

心を黄色の菜の花畑にして

外から飛び込む ただいまの声を思って

幸せの ママレードを煮よう


ママレードの色は 幸せの色

灰色の雲の上で 雨が少し柔らかくなった









零した言葉
アルビレオ日詩