2000年12月12日





「母親」


小さな 部屋の中で

小さな あかんぼうと

小さな わたし


わたしは 母親だと言われても

わたしは まだ母親になりきれない


小さな あかんぼうは

大きな 声で泣き

小さな わたしは

小さな 声で泣く


わたしは 痛みと苦しみを越えて

わたしは あかんぼうをこの腕に抱いたというのに


わたしは わたしは わたしは



母親は あかんぼうを抱いたそのときから

母親だと言われ 放り込まれる

あかんぼう 中心の世界に


母親は 毎日母親になっていく

ただの 一人の女から

毎日 煉瓦を積み上げるように

一つ一つの事柄を乗り越えて

母親に なっていく


その苦しさ その辛さ

理想を持てば持つほど

自分が 不良品のような気がして

不安で押し潰されて 泣き 苛立つ

これではいけないと いけないと わかっていても


どんな母親も 資格などはなく

ただ母になった事実の日から こつこつと母親になっていく

誰でもできる 誰でも母性愛があると神話に振り回されながら

それでも 一人の女は

こつこつと 煉瓦をたった一人で積み上げるように

孤独と戦いながら 母親になっていく


 








零した言葉 アルビレオ日詩