2000年11月27日





「ペンギン」




ある朝 マグカップ片手にペンギンが

ドアをノックしてくれたら さぞかし愉快だろうに

「奥さん今年は冷えていけませんね」なんて

お辞儀しながら お天気の話をして

よたよたと キッチンに入ってくる


冷蔵庫にあるチョコレートムースと 子供と焼いたクッキー

庭でもぎとったレモンを絞った オイルサーディン

それにホイップクリームとマシュマロを雪山みたいにのせた

熱いココアを出してあげよう


サンタをボランティアで手伝っている話やら

白熊とはメールをやりとりしている話やら

3月からの子育ての話やら

たくさん相槌打ちながら 一緒に大笑いしたり ちょっと泣いてみたり


首に巻いたマフラーを誉めてあげたり

奥さん自慢を聞いて嬉しくなったり

こっそりと心の中で

来年はポンポンのついた帽子を編んで待っていようと考えたり


「ご馳走様でした」 と立ち上がるペンギンに

「また来年も寄ってくださいよ」と言いながら

そう言いながら


ある朝 マグカップ片手のペンギンが

ドアをノックしてくれないだろうかと

思いながら 今日も掃除機をかけている









零した言葉 アルビレオ日詩